小さい方のツァラトゥストラ、かく語りき vol 3
前回の台詞酷かったです。
こっそり修正しておきます。

やっと旅がスタートします。
「続きを読む」で小説を読んでください。
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小さい方のツァラトゥストラ、かく語りき vol 2
こそこそと申し訳なさそうに群れた草が少しだけ茂る丘陵地に続く道を、ロバは妙に自信に満ちた足取りで歩いて行く。
今まで一度も自分の生まれ育った村から外に出てみようとは考えもしなかった自分が、こうして見ず知らずの風に吹かれているのは愉快だった。
ふと歌でも口ずさんで見ようかと思ったけれど、まともに知っている歌は見当たらなかった。
ムラトモがキンキン声で歌うと村の大人も子供も笑った。
それでも他の子供達と同じように歌おうと声を出し続けていると、皆の顔色が変わりはじめる。
そして叫び始めるのだ。
早くその歌を止めてくれないと皆の頭が割れてしまう。
子供がひきつけを起こして泡を吹く。
寝たきりの姑が立ち上がって嫁を追いかけまわす。
ナスビの色がおかしくなってキュウリが先分かれする。
蛇が来る。
いっぱい、いっぱい来るんだよぉ。
と、そういう具合。
そんな風に言われて「どうがお願いですから歌だけは歌わずにいてほしい」と懇願されてしまっては、さすがのムラトモも歌う事などできなくなった。
それでもやっぱり歌いたいと思った。
辺りには誰も居ない。
そりゃそうだよ。
一人で日差しを受けて風に吹かれていれば誰だって歌って当たり前なのだ。
ムラトモはそう思うと、小さ声で子供の時に最初に覚えたニワトリの歌を口ずさんでみた。
でも歌の最後までは解らない。
にわにはにわののにわとりが
けっこうけこけこずーずるず
あさはみょうとでなきがわし
けっこうけこけこずーずるず
おちてるものはなんでうまい
けっこうけこけこずーずるず
きょうもたまごだこだくさん
けっこうけこけこずーずるず
そこから先、人間に卵を取られたり、晩ご飯にされそうになったりでニワトリが大暴れする面白い歌なのだが、ぜんぶ覚える前にムラトモの歌は禁止になってしまった。
仕方がないので同じ所ばかりを繰り返し繰り返し歌ってみた。
しまらない気分だが、それでも歌ううちだんだん楽しくなってきた。
そしてしばらく歌ううち、自分が以外と大きな声で歌っている事に気が付いた。
ふと心配になる。
僕のロバは大丈夫なのだろうか。
少し覗き込むようにロバの顔をそっと見る。
別段変わった様子は無いようだった。
そうだよ、村の人達は少し大げさなんだよ。
必ずしも皆が皆僕の歌を迷惑がっていたわけじゃない。
面白がってずっと笑っていた人も居たはずだ。
同じ歌の同じ所ばかり、何度も何度も。
そこから先、ムラトモの歌声はどんどん大きくなるばかり。
やがてロバが立ち止った。
そして歌い続けていたムラトモへと振り向くと何か言いたげなその顔から、ぶふんと大きな鼻息がひとつ。すると手のひらにいっぱいもあるかと思えるほどの大量の鼻水がムラトモの顔にまき散らされた。
突然の事に驚いたムラトモは馬から転げ落る。
ロバが怒った。
そう思ったムラトモは噛み付かれないように身を小さくする。
しかしロバは振り向いた格好のままじっと後ろを見ているだけだった。
やがてムラトモも顔を上げてロバの見ている方向に目をやり、やがて気が付く。
今し方自分の通って来た道の両側の草が茶色くしなびてへたばっている。慌てて振り向いて自分の行く先の道端の草を見ると、痩せた土地と言えどもそれなりに青々とした葉を広げていた。
「えっ、まさか僕の歌の所為で…」
そのムラトモの声に応えるかのようにロバは大きな鼻息をもうひとつ吐いた。
黙ったまま少し元気の無くなったムラトモを乗せたロバはやがて林の続く道へと向かい、陽が傾く頃、隣の村はずれへと差し掛かった。
道端で遊んでいた子供がムラトモに気が付いて「うわー小さな武将が来たー」と騒ぎながら村へと駆けて行く。
しばらく行くと村の境界を示すらしい灌木の生け垣が見えて来た。
木戸は開かれていていて、その門の真ん中に白いあご髭をたくわえた老人が立っていた。そしてその陰に隠れるようにさっき駆けて行った子供達の姿。
近付いて行くムラトモに笑いかけた老人が口を開いた。
「よくぞお越しくださった隣の村の予言者殿。そなたがおいでになる事は、我等が村の予言者が既に予言しておりました」
生け垣の陰から駆け出した若者が駆け出し、ムラトモの乗ったロバの手綱を取ると村の中へと引き入れる。
木戸をくぐると、老若男女、未だ出会った事のない沢山の顔が、ムラトモの小さな姿を見つめていた。
…………………
こっそり修正しておきます。

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こそこそと申し訳なさそうに群れた草が少しだけ茂る丘陵地に続く道を、ロバは妙に自信に満ちた足取りで歩いて行く。
今まで一度も自分の生まれ育った村から外に出てみようとは考えもしなかった自分が、こうして見ず知らずの風に吹かれているのは愉快だった。
ふと歌でも口ずさんで見ようかと思ったけれど、まともに知っている歌は見当たらなかった。
ムラトモがキンキン声で歌うと村の大人も子供も笑った。
それでも他の子供達と同じように歌おうと声を出し続けていると、皆の顔色が変わりはじめる。
そして叫び始めるのだ。
早くその歌を止めてくれないと皆の頭が割れてしまう。
子供がひきつけを起こして泡を吹く。
寝たきりの姑が立ち上がって嫁を追いかけまわす。
ナスビの色がおかしくなってキュウリが先分かれする。
蛇が来る。
いっぱい、いっぱい来るんだよぉ。
と、そういう具合。
そんな風に言われて「どうがお願いですから歌だけは歌わずにいてほしい」と懇願されてしまっては、さすがのムラトモも歌う事などできなくなった。
それでもやっぱり歌いたいと思った。
辺りには誰も居ない。
そりゃそうだよ。
一人で日差しを受けて風に吹かれていれば誰だって歌って当たり前なのだ。
ムラトモはそう思うと、小さ声で子供の時に最初に覚えたニワトリの歌を口ずさんでみた。
でも歌の最後までは解らない。
にわにはにわののにわとりが
けっこうけこけこずーずるず
あさはみょうとでなきがわし
けっこうけこけこずーずるず
おちてるものはなんでうまい
けっこうけこけこずーずるず
きょうもたまごだこだくさん
けっこうけこけこずーずるず
そこから先、人間に卵を取られたり、晩ご飯にされそうになったりでニワトリが大暴れする面白い歌なのだが、ぜんぶ覚える前にムラトモの歌は禁止になってしまった。
仕方がないので同じ所ばかりを繰り返し繰り返し歌ってみた。
しまらない気分だが、それでも歌ううちだんだん楽しくなってきた。
そしてしばらく歌ううち、自分が以外と大きな声で歌っている事に気が付いた。
ふと心配になる。
僕のロバは大丈夫なのだろうか。
少し覗き込むようにロバの顔をそっと見る。
別段変わった様子は無いようだった。
そうだよ、村の人達は少し大げさなんだよ。
必ずしも皆が皆僕の歌を迷惑がっていたわけじゃない。
面白がってずっと笑っていた人も居たはずだ。
同じ歌の同じ所ばかり、何度も何度も。
そこから先、ムラトモの歌声はどんどん大きくなるばかり。
やがてロバが立ち止った。
そして歌い続けていたムラトモへと振り向くと何か言いたげなその顔から、ぶふんと大きな鼻息がひとつ。すると手のひらにいっぱいもあるかと思えるほどの大量の鼻水がムラトモの顔にまき散らされた。
突然の事に驚いたムラトモは馬から転げ落る。
ロバが怒った。
そう思ったムラトモは噛み付かれないように身を小さくする。
しかしロバは振り向いた格好のままじっと後ろを見ているだけだった。
やがてムラトモも顔を上げてロバの見ている方向に目をやり、やがて気が付く。
今し方自分の通って来た道の両側の草が茶色くしなびてへたばっている。慌てて振り向いて自分の行く先の道端の草を見ると、痩せた土地と言えどもそれなりに青々とした葉を広げていた。
「えっ、まさか僕の歌の所為で…」
そのムラトモの声に応えるかのようにロバは大きな鼻息をもうひとつ吐いた。
黙ったまま少し元気の無くなったムラトモを乗せたロバはやがて林の続く道へと向かい、陽が傾く頃、隣の村はずれへと差し掛かった。
道端で遊んでいた子供がムラトモに気が付いて「うわー小さな武将が来たー」と騒ぎながら村へと駆けて行く。
しばらく行くと村の境界を示すらしい灌木の生け垣が見えて来た。
木戸は開かれていていて、その門の真ん中に白いあご髭をたくわえた老人が立っていた。そしてその陰に隠れるようにさっき駆けて行った子供達の姿。
近付いて行くムラトモに笑いかけた老人が口を開いた。
「よくぞお越しくださった隣の村の予言者殿。そなたがおいでになる事は、我等が村の予言者が既に予言しておりました」
生け垣の陰から駆け出した若者が駆け出し、ムラトモの乗ったロバの手綱を取ると村の中へと引き入れる。
木戸をくぐると、老若男女、未だ出会った事のない沢山の顔が、ムラトモの小さな姿を見つめていた。
…………………
コメント
お久しぶりです火群さん。
夏に休んで以来、陰に入ってどなたのHPにもお邪魔出来ない状態が続いてしまっています。
ぼつぽつ作品を仕上げながら、再び気分をぐぐっと盛り上げてまた、近いうちにお伺いいたします。
この不義理さでいつも友達無くしているんです。
とほほ、すみません。
夏に休んで以来、陰に入ってどなたのHPにもお邪魔出来ない状態が続いてしまっています。
ぼつぽつ作品を仕上げながら、再び気分をぐぐっと盛り上げてまた、近いうちにお伺いいたします。
この不義理さでいつも友達無くしているんです。
とほほ、すみません。
こんにちは。
連載物の途中で全体のまとまりを知りもしないのにコメ入れるのもはばかれるのですが
>子供がひきつけを起こして泡を吹く。
なんだか逆に聞いてみたくなりました。ふふ
連載物の途中で全体のまとまりを知りもしないのにコメ入れるのもはばかれるのですが
>子供がひきつけを起こして泡を吹く。
なんだか逆に聞いてみたくなりました。ふふ
つるさん、すみません御迷惑かけています。
たいへんひどい展開になりそうで、ちょっと後悔しています。
思えば100枚位のそんなに長くない作品でも一旦書き上げた後、冒頭の10枚〜20枚はつまらないのでカットして、新たに短く書き加えるのがいつもの状況だったのに、ほんと思い付きでエライコトを始めてしまいました。
でも書いてゆきますから何とか我慢してお付き合い頂ける所まではお付き合い位のほどよろしくお願いします。
たぶんあと三回ぐらい我慢して頂ければきっと…
きっと…なんです……
たいへんひどい展開になりそうで、ちょっと後悔しています。
思えば100枚位のそんなに長くない作品でも一旦書き上げた後、冒頭の10枚〜20枚はつまらないのでカットして、新たに短く書き加えるのがいつもの状況だったのに、ほんと思い付きでエライコトを始めてしまいました。
でも書いてゆきますから何とか我慢してお付き合い頂ける所まではお付き合い位のほどよろしくお願いします。
たぶんあと三回ぐらい我慢して頂ければきっと…
きっと…なんです……
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生還おめでとうございます(笑)心配しました。
ツァラトゥストラというと→2001年宇宙の旅しか脳内変換されないアホの僕でもついていけるといいな(笑)
ではまた〜。